2017年の世界新体操選手権で、個人の日本人選手としては42年ぶりにメダルを獲得した皆川夏穂選手(21世紀アジア学部3年)。今まで崩せなかった世界の強豪国に挑むその姿は、日本で応援する人たちに勇気を与え続けてくれます。今回は、日本の新体操をリードし、大学1年生の時にリオデジャネイロ五輪への出場経験を持つ皆川選手に、東京2020大会への思いを聞きました。
<2018年10月12日取材> (学年?年齢は当時)
――日本で開催されたイオンカップの感想を。
1年間のうち10カ月をロシアで過ごすという生活を続けているので、私が出場する大会のほとんどは海外開催のものです。唯一、日本国内で開催される大会がイオンカップということもあり、大勢の方が応援してくださることをいつも以上に実感しました。期待に応えることができず、悔しい結果に終わってしまったことが心残りです。
――ロシアでの生活はどうですか?
中学卒業と同時に強化選手としてロシアへ渡ってから5年以上経ちますが、今も宿舎と練習場が生活の中心です。ですが、宿舎では昔からよく知る仲の良い選手と同室ということもあり、あまり寂しさは感じません。自分の演技を高めることに集中できる環境の中にいるので充実しています。
- 本学新体操部で行われた報告会であいさつする皆川選手
- 皆川選手(左)と横田葵子選手
――4歳で新体操を始めたきっかけは?
幼稚園で親しかった友だちが新体操をやっていて、たまたま練習場を見学した時に興味を持ったのが最初です。以来、他のスポーツに気持ちが移ることもなく新体操一筋です。当時は目標とする選手も特におらず、夢中になって演技すること自体がとても楽しかったです。
――特に思い出に残る大会はありますか?
やはり、18歳の時に出場したリオオリンピックです。小学6年生のころからの夢だったので、大きな自信になりました。目標の決勝には出られなかったので、もっと頑張ろうと思いました。
――当時、すぐ4年後に気持ちを切り替えられましたか?
新体操選手は通常、現役期間もそれほど長くはなく「個人で2大会連続出場は、簡単なことではない」と思っていたので、すぐに東京オリンピックという目標を立てたわけではありません。しかしその後、「次のオリンピックでメダルを取る」という新しい目標を決めてからは、一年一年しっかり過ごすことを心掛けています。
――新体操が生活のほとんどだと思いますが、息抜きは何ですか?
好きなミュージシャン、三代目 J Soul Brothersの音楽を聴いたり、ライブDVDを鑑賞することです。日本にいる時には、ライブ会場にも足を運んでいます。一人のファンとして応援すると同時に、観客を魅了するパフォーマンスはとても勉強にもなります。
――今後の目標を教えてください。
私は、まだまだ世界のトップ選手に遅れています。課題を改善してレベルアップしないとオリンピックでのメダル獲得への道は閉ざされたままです。また、皆様の応援は感謝の気持ちで受け止めつつ、演技の最中は自分の演技により集中できるようになるのが課題です。子どものころ、練習が楽しくてやっていた気持ちを取り戻すことが、良い結果につながると考えています。
プロフィール
名前:皆川 夏穂(みながわ?かほ)
学部:21世紀アジア学部3年
所属:新体操部所属
生年月日:1997年8月20日生まれ(21歳)
出身地:千葉県
出身校:大原学園高校(東京都)