日本パラ水泳連盟および日本知的障害者水泳連盟は5月24日、東京2020パラリンピック大会の日本代表推薦選手を発表し、本学大学院工学研究科の齋藤元希選手(修士1年)が100m背泳ぎの視覚障害のクラスで代表内定を勝ち取りました。
代表内定の知らせを受け、齋藤選手は「ほっとしている。昨年、大会が延期になり周囲の選手が記録を伸ばしている中、昨日の選考会で自己ベストを更新して出場を決めることができてうれしい」と喜びを語りました。さらに同日、齋藤選手は佐藤圭一学長と大澤英雄理事長それぞれに代表内定を報告しました。
本学選手がパラリンピックに出場するのは、齋藤選手が初めてです。また、本学在学生が東京2020オリンピック?パラリンピック大会への出場を決めたのも齋藤選手が初となります。
東京パラリンピックの水泳競技は、2021年8月25日から東京アクアティクスセンターを会場にして開催される予定です。
パラ代表内定までの道のりと、大会への意気込み(6/18更新)
齋藤選手は、これに先立つ5月21日から23日にかけて横浜国際プールで開催された「2021ジャパンパラ水泳競技大会」の3種目に出場し、全種目で自己ベストを更新するなど、好成績を収めていました。
それでも大舞台への道のりは険しく、同大会で派遣基準記録を突破した他の選手が代表内定をパラリンピック出場を当日に決める中、齋藤選手はあと一歩及ばず、翌日の公式発表に持ち越しとなっていました。
「本来であれば大会2日目の種目で代表内定を決めたかったが、予想以上に激しい戦いになり、大会3日目の100m背泳ぎに賭けた。眠れなくなるほどのプレッシャーを感じる中、背泳ぎで予想以上のタイムが出て、水泳人生で初めてうれし泣きした」と振り返る齋藤選手。
パラリンピック代表内定の吉報は、日ごろ指導を受けている理工学部教授で水泳部の地神裕史副部長、田中宏樹コーチとともに受けました。
緊急事態宣言の延長で「コロナ前」の日常がなかなか戻らない中、オリ?パラを通じ2020大会の本学出場第1号となった齋藤選手のニュースは、学園内の雰囲気を明るくすることに。そしてこの流れに続くように、オリンピック種目でも本学選手の好記録が相次ぐことになります。
齋藤選手に2020大会本番に向けた意気込みを聞くと、「東京大会は、今後長く続く競技人生で重要なステップの一つ。ここでしっかり結果を残し、このコロナ禍で苦しんでいる方々へ、少しでも明るいニュースを届けたい」と力強く語ってくれました。
齋藤元希(さいとう?げんき)選手 プロフィール
1998年10月21日生まれ、山形県出身。幼稚園の頃から水泳の魅力に引き込まれ、高校卒業まではいわゆる健常の水泳部員として活動していました。先天性の黄斑変性症という目の難病が進行していたことから、日大山形高校を卒業後は国家資格取得を目的に筑波技術大学に進学。そこでパラ水泳選手という道を知り、水泳のより良い環境を探した結果、当時すでにパラ水泳部員が活躍していた本学への3年次編入を決意します。
その後2019年春から、本学理工学部健康医工学系で学びながらパラ水泳の練習に打ち込み、この春には本学工学研究科に進みました。
本学水泳部は、齋藤選手をはじめ川原渓青選手(修士2年)、冨樫航太郎選手(2021年理工学部卒)、清水滉太選手(理工3年)らパラ水泳チームの選手が、一般の水泳部員たちとともに、本学メイプルセンチュリーホールのプールで切磋琢磨し合いながら練習に励んでいます。
- 佐藤学長に報告
- 大澤理事長に報告
詳細は以下のサイトもご確認ください。
?「日本知的障害者水泳連盟」
?日本パラ水泳連盟
※関連ページ
?国士舘大学水泳部ホームページ
?齋藤元希選手インタビュー【目指せ!国士舘から世界へ⑩】
/spokon/interview/details_13877.html