研究活動の紹介
太宰治など、1930年代を軸とした近代日本の文学に関する研究
太宰治というと、とても〈個性的〉な作品を生み出した人、というイメージが広く共有されているようです。では、なぜ太宰はそんな〈個性的〉な作品を残したのでしょうか? 太宰治が強い〈個性〉を持っていたからだと言えば、そのままになります。では、文化、経済、メディア、政治、読者……いろいろな関係性の網の目のなかで、彼の〈個性的〉な作品が生成し、流通し、受容されていったと見ることはできないでしょうか。太宰に限らず、どの作家やジャンル等でも同じ事が言えないでしょうか――。そうした観点から、網の目の糸を少しずつほぐしていくのが、私の行っている研究の大枠になります。
ゼミの紹介
多彩な近代の文学作品から、自分自身の問題意識と見解を導き出していく
近代日本の文学作品を軸に、さまざまな謎(問題意識)を出し合いながら、謎解き(考察)を試みていくゼミです。扱う作家、作品、ジャンルは多彩です。 まず、小説を全員で読み、それぞれが不思議に感じた点を、自由に出し合います。翌週、発表者がその点についてプレゼンテーションを行ってみます。それをもとに、全員で色々な意見をお互いに交換しながら、自分自身が抱いた謎(問題意識)をもう一度見つめ直す、いう流れでゼミは進行していきます