ここ数年、考古?日本史学コースの新入生を対象とした学外研修「吉田松陰?国士舘と彦根藩主井伊家ゆかりの地をめぐる散策」を、世田谷区立郷土資料館と連携して実施していますが、6月20日に、小川快之ゼミの4年生を対象とした学外研修「世田谷代官屋敷と世田谷区立郷土資料館で世田谷の歴史に触れるワークショップ」を、郷土資料館と連携して行いました。
重要文化財の世田谷代官屋敷では、郷土資料館学芸員の角和裕子氏の丁寧な解説や世田谷区文化財ボランティアの方々のサポートがあり、建物の細かい部分もじっくり観察して、その構造や機能などについて理解を深めることができました。さらに最近展示がリニューアルされた郷土資料館では、三軒茶屋やボロ市の歴史など大学周辺の歴史や中国絵画の影響を受けた芸術文化に触れることができました。
参加した学生からは「やはり教科書の写真や文字で学習するだけではなく、実際に見て?触れ?感じることに意味があるのだと思いました。特に、代官屋敷にお邪魔させていただいた際に感じた屋敷の雰囲気や構造、建物の質感など、当時の生活環境をより詳しく知ることができたことは、講義とは違った学外研修の利点であると思いました。また、玄関の向きや畳の構造、入り口の格式の高さなど、建物から見られる歴史も興味深く感じました」「世田谷の歴史について学ぶだけではなく、文化財としての活用?保存に関しても学ぶことが出来ました」「普段、本や史料を読んでいるだけでは気づくことができないことについて、実際に古墳のサイズ感や内部構造、石棺の作りなどを間近で見たことで気づくことができました。石棺に関しては想像していたよりも小さく、当時の人の体格を連想することができました」といった感想が聞かれ、今回の学外研修が、歴史学や史跡への理解を深め、史跡に対する観察眼を養う上でとても有意義な作業になったことが窺えました。