ブックタイトル国士舘史研究年報第9号
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国士舘史研究年報第9号
国士舘史研究年報2017 楓?28奥には幅三間、奥行一間、高さ一?五尺(四五五㎜ )の畳敷きの講壇を設ける。その奥には、さらに五?七寸(一七三㎜ )上げた幅二間、奥行四尺(一二一二㎜ )の床の間を設える。両脇廊下の北奥は、左右とも物置とする。外観は一見すると入母屋造り、妻入り、流れ向拝付きの神社仏閣の様相を呈しており、「国士舘上棟式記事」(『大民』第四巻第八号、青年大民団、一九一九年八月)の「軽薄なるペンキ塗、西洋館の競って建造せらるゝ現代を超越し、[中略]鎌倉時代の講学所に観る如く、或は僧院の堂宇に似て、[中略]純乎たる日本式を発揮せるは、日本魂の為め大気?を吐けるの概あり」の記述通り、国士舘の教育理念を日本の伝統的建築によって象徴的に表現している。3 構法? 計画寸法平面計画寸法は、各柱間寸法を実測した結果、一間(六尺)は一八一八㎜ 、二間(一二尺)は三六三六㎜ の近似値を示した。一尺が三〇三㎜ の尺貫法により計画されたことが分かる。断面計画寸法は、正面出入口内うち法のり七) (1 (?九六尺(二四一三㎜ )、広間、廊下境内法八?五三尺(二五八六㎜ )、土台上端から敷しき桁げた上) (1 (端までが一九?九尺(六〇五三㎜ )、敷桁上端から棟むな木ぎ上) (1 (端までが一六?〇六尺(四八六八㎜ )であった。枝し割わり) 11 ((垂たる木き割わり)についてみると、一枝寸法(垂木) 1( (が配される間隔)の実測値は一?五尺(四五五㎜ )である。正面の向拝および出入口の柱間は一二枝(一?五尺/枝×一二枝=一八尺)、その他柱間は五枝で正面出入口両脇がそれぞれ二間であることから、梁間合計三二枝が割り付けられる【写真1】。背面および側面の柱間は四枝で、背面は八間で合計三二枝、側面一〇間で四〇枝が割り付けられている【写真2 -1?2】。垂木は、実測値巾二?一四寸(六五㎜ )×成せい二) 11 (?六四寸(八〇㎜ )で、その巾は一枝(一?五尺)の七分の一割(一?五尺×一/七=二?一四寸)であった。側柱は五?三五寸(約一六二㎜ )角で、垂木巾で除するとその二?五本分(二?一四寸×二?五=五?三五寸)、向拝柱は九?六三寸(約二九二㎜ )角で垂木巾の四?五本分(二?一四寸×四?五=九?六三寸)となる。なお、内部の丸柱は、九寸(直径約二七五㎜ )で垂木巾の四?二本分となっている。柱頭につく舟肘木は、高所のためその寸法を実測できなかったが、目視によるとその巾(長さ)は側廻りのもの