ブックタイトル国士舘史研究年報第7号
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国士舘史研究年報第7号
国士舘史研究年報2015 楓?128下校して夕刊配達、月末は集金。その間、銃剣道部の仲間と稽古。なかなか両立の難しい、しかしながらそれでいて大変楽しい充実した学生生活の日々であったと云えます。新聞配達のエピソードとして、その当時より少し前の時代に歌手の山田太郎が唄う「新聞少年」と云うヒット曲があり、歌詞の中で「雨や嵐にゃ慣れたけど、やっぱり夜明けは眠たいな…。」というくだりがありました。しかし、実際に新聞配達をやってみると一番辛いのは、雨や嵐であることがよく分かりました。二月に大雪が降った時などは、自転車を引いて配達したことを憶えています。また、台風が接近している夕刊の配達途中で、被害予防に玄関前の立木の太い枝を伐採している主婦の方に替わって鋸で枝を切ったこともありました。一番嬉しかったことは、読者のお一人でいらっしゃった東京家政大学教授の見藤妙子先生から、クリスマスのプレゼントとして先生が編まれた毛糸のベストを頂戴したことです。現在もベストは健在で大事にタンスに仕舞い、親子二代で着ることになりそうです。さて稽古事は、何かきっかけがあって始めるわけですが、やがてそれ自体に大きな目的があることが後になってわかる様になりました。同好の者たちが好きで始めたクラブ活動でしたが、稽古をおこなう課程で修行には究極の道が存在することを知り得たのです。そして、銃剣道の稽古を通じ、武道修行における人としての品格の向上を考えた時、自己の修行目的を自覚し、錬磨を通じて心身の向上?充実を図り、責任ある行動を心掛けた時に、それは決して自然発生的に生まれるものではないという結論に達しました。常に身近の良き規範(良き先輩や見たり、読んだりした物)を模倣して第二の天性と成す努力をするものでなければならないと昭和53 年11 月4 日 創立記念日、大講堂前にて(筆者)