2023年03月31日
第11回防災?救急救助シンポジウムを開催 ~災害時の「情報」に焦点~
本学防災?救急救助総合研究所(防災総研)と日本災害情報学会が共催する第11回防災?救急救助シンポジウムが3月21日に世田谷キャンパス34号館B301教室で開催され、「関東大震災から100年―次の震災時に情報をどう防災に生かすか―」をテーマに、講演とパネルディスカッションが行われました。日本災害情報学会との共催は初めてで、会場には研究者、行政機関やマスメディアなど各分野の防災担当者、近隣の町会など約140人が足を運びました。
基調講演では阪神?淡路大震災記念 人と防災未来センター長の河田惠昭氏が、過去の国難災害の実例に基づき自身が提唱する「災害の相転移」を回避できれば被害を大幅に軽減できるとし、南海トラフ巨大地震や首都直下地震で想定される相転移を解説。さらに、回避のためには情報共有ネットワークの採用や組織越境?連携体制構築を早急に進めることに加え、社会の成熟度を高め、防災の文化を創っていく必要性を訴えました。
パネルディスカッションでは、防災総研の山﨑登教授がコーディネータ―となり、東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター准教授の関谷直也氏、TBSテレビ報道局解説委員(防災担当)の福島隆史氏、元東京消防庁玉川消防署長の山中麗子氏、防災総研の中林啓修准教授が、関東大震災をはじめとする過去の災害を振り返りながら、震災時の情報を切り口に意見を交わしました。情報が少ない災害直後の流言や報道の役割にも話が及び、災害時の情報に関して考慮すべきいくつかの論点が示されました。
- 開会のあいさつをする日本災害情報学会の片田敏孝会長
- 開会のあいさつをする佐藤圭一学長
- 基調講演をする河田氏
- パネルディスカッションの様子
- (左から)関谷氏、福島氏、中林准教授、山中氏
- コーディネーターの山﨑教授
- 閉会のあいさつをする島崎修次防災?救急救助総合研究所長
- 会場の様子