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2025.03.14

タイ王国の海外協定校を視察しました

その他

2月17日から21日にかけて、タイ王国?ホアヒンで開催された国際学会「EMS ASIA 2025」への参加に合わせ、救急システム研究科の田中秀治教授、防災?救急救助総合研究所の石﨑貴准教授、同研究所の訪問研究員であるインドネシア人医師アリ?ヘダーさん、救急システム研究科の木村龍さん(修士課程2年)が、本学の海外協定校であるナワミンタラティラード大学(タイ王国?バンコク)とタイ国立救急医療センター(National Institute for Emergency Medicine: NIEM)を視察しました。

ナワミンタラティラード大学は、救急救命士学科だけではなく、医学部や看護学部を有し、さらに消防、救急、救助を学ぶことのできる学部も設置されています。同大学には大学病院が併設され、救急隊やバイク救急隊、ボートレスキューなどの実働部隊が24時間体制で首都バンコクの救急医療を支えています。また、大学には防災学科も設置されており、防災に関する教育研究だけではなく、消火や救助に関する実習施設も整備されています。

NIEMは、2008年に制定された救急医療法(BE2551)に基づき設立され、タイの病院前救急医療システムを規制及び強化する権限を持つ公的機関です。タイ全土の救急医療体制を統括し、その積極的かつ大胆な取り組みによって基盤整備を進めています。また、救急車両だけではなく、ヘリ訓練や映像シミュレーションルームなど高度な訓練が可能な研修施設が併設され、タイ全土の救急隊の能力向上に貢献しています。

視察した石﨑准教授は、「タイの救急救命士制度は、日本とは異なり、医師の指示なしに高度な救命処置を実施したり、医師の指示で経口薬を投与できるなど、日本の救急救命士が実施できない処置を行うことができる制度設計となっていた。日本は、これまで先進国として諸外国と連携してきたが、今後は日本がアジアから学ぶべき時機であると強く感じた。この視察を通じて、異なる国々との交流と協力が、救急医療技術の進歩だけでなく、その質の向上にも大いに貢献することを再確認することができた」と報告しました。

救急救命士学科の授業の様子
防災学科?資器材準備庫を見学
バイク救急隊
大学病院のボートレスキュー隊
NIEMでの検討会
NIEM指令管制室
NIEMヘリ訓練施設
映像シミュレーションルーム