本学は12月10日、世田谷区と共催で「せたがや防災イベント」を世田谷キャンパス、区立若林公園、世田谷区役所一帯で開催しました。関東大震災から100年の節目となる本年に区民一人ひとりの防災意識と地域防災力の向上を目的として企画された本イベントには、本学の教職員や学生が参加したほか、多くの近隣住民が訪れました。
当日は、若林町会や小田急ハイウェイバス協力のもと、「救急救出訓練」や「国士舘大学第12回防災?救急救助シンポジウム」が開催されたほか、はしご車体験乗車やVR防災体験車などの体験イベントも行われ、多くの来場者で賑わいをみせました。
救急救出訓練
救急救出訓練では、午前10時に首都直下地震が発生し多数の傷病者が発生したという想定で行われました。
若林町会協力のもと本学学生をはじめ、日本赤十字社東京支部や世田谷信用金庫、警視庁警備部災害対策課など各企業や官公庁が参加し、倒壊した家財道具の下敷きになった人形を救出する訓練や、バスに多数の傷病者が残されている想定で担架などを用いた救出訓練を行いました。
参加した学生からは「想像していたよりも多くの人の助けが必要であると実感でき、自助共助の大切さを改めて実感した」「日本赤十字社の方がトリアージをしている姿を見て大変勉強になった。消防士を目指しているので、今後に繋がるよう勉学に励んでいきたたい」などと述べ、訓練の様子を振り返っていました。
講評で本学防災?救急救助総合研究所副所長の田中秀治体育学部教授は「皆さんが今回の訓練を通して学んだことを持ち帰り、近隣の方とのコミュニティに繋がることを祈る。今後も国士舘大学は地域に開かれた大学として災害発生時に公的機関と共に地域の方々に協力していく」と述べ、訓練は終了しました。
国士舘大学第12回防災?救急救助シンポジウム
本学多目的ホールでは「国士舘大学第12回防災?救急救助シンポジウム」が開催され、世田谷区の保坂展人区長や佐藤圭一学長、防災?救急救助総合研究所(防災総研)の島崎修次所長らが出席しました。
はじめに「首都直下地震 ー命を守るために」と題して、東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター特任教授の田中淳氏による基調講演が行われました。
その後、パネルディスカッションでは防災総研の山﨑登教授がコーディネーターを務め、パネリストには保坂区長をはじめ、同研究所の中林啓修准教授など4人が出席し、小学生に対する防災教育の在り方や都市部特有の災害対策、在宅避難の考え方など首都直下地震発災時における問題点について議論しました。
閉会の言葉では島崎所長が「世田谷区は特に火災による負傷者数が多いと想定されている。今後も国士舘大学は2次避難場所として災害時に住民の避難場所としてどう動いていくか、更に話し合いを進めていく」と述べ、本シンポジウムは幕を閉じました。