ベトナムの首都ハノイにおいて、厚生労働省が所管する医療技術等国際展開推進事業の一環として、11月4日から6日にかけて、ベトナム国家医科薬科大学に設置予定の救急救命士学科で教員となる現地医師17名を対象とした指導者研修を実施しました。
当該研修は、ベトナム国家医科薬科大学及び北原グループ(医療法人社団KNI、株式会社Kitahara Medical Strategies Internationalなど、東京八王子市)の要請に基づき実現したもので、カンボジアなどの開発途上国において病院前救急医療に関する国際協力の実績を有する防災?救急救助総合研究所石﨑貴准教授および、体育学部喜熨斗智也准教授が教育指導の中心となり、救急システム研究科の柳聖美研究科助手および原山尋斗さん(修士課程1年)が実習補助にあたるなど、ベトナムの文化慣習に配慮した質の高い技術協力が実現しました。
研修に参加した現地医師は、首都ハノイの病院前救急医療体制の主軸であるハノイ115救急センターの施設や救急車両など、限りある資源を有効活用して救急救命処置に関する基礎実習に取り組むとともに、教育技法の習得に尽力しました。
ベトナムでは、2024年1月1日に救急救命士に関する資格等が制度化され、2029年1月から資格試験が実施されることから、ベトナム国家医科薬科大学は、同国において初となる救急救命士学科を設立する高等教育機関となります。
今後も、救急救命士学科の設立支援や現地指導者の教育研修などを通じて、ベトナムにおける持続可能な質の高い救急医療体制の構築に貢献していきます。