本学21世紀アジア学会はインドネシア共和国”建国の父”といわれた故スカルノ大統領の孫で同国国会議員のプティ?グントゥル?スカルノ氏を招いた講演会を開催し、「インドネシア政治のダイナミズムにおける若い世代」と題した講演を学生約180人が聴講しました。
2年生必修科目「アジアの政治2」内で行われた本講演では、はじめに授業担当教員のジャクファル イドルス准教授が現代のアジア政治を動かすアクターについて解説し、インドネシアの背景を理解した後に講演が始まりました。
プティ氏は、インドネシアの独立期から政権交代、そして民主化の時期を概観し、総じてそれら変革の中心的な役割を果たしたのが若者であったことを述べました。青年の政治運動は、民主化前後で変化が見られ、集会やデモなどからSNSを活用したものに変わってきたものの、依然として社会問題や環境問題などに深い関心をもつ若者が多く、大学内の政治的な組織や政党による政治家育成塾などさまざまなチャンネルを通じて積極的に政治活動をする学生が増加していることを説明しました。プティ氏は若者の力を活用してより健全な民主主義の構築が求められていると訴えました。
最後にプティ氏は聴講する学生に向け「大学時代にネットワークを作って視野を広げることが、社会に出た時に必ず役に立つ。各国の状況を知り、皆さんが周りの環境や地域、国に貢献できるきっかけになればうれしい」とメッセージを送りました。
講演の後には、同学部でインドネシア語を履修した学生や、学部主催の海外研修やゼミ研修などでインドネシアを訪問したことのある学生らが、花束を渡したり記念写真を撮るなど、プティ氏との久々の再会を喜びました。
本学は2011年から同国王宮と合同で研究活動やシンポジウムを開催するなどしてインドネシア文化についての研究を進め、2015年には「スカルノ国際共同研究」を発会しプティ氏にアジア?日本研究センター(2019年に廃止)の研究員を、2016年には本学大学院政治学研究科の客員教授を委嘱しました。