ムハッマー ジャクファル イドルスMOHAMMAD Jakfar Idrus
2016年3月 国士舘大学大学院
政治学研究科 政治学専攻
アジア地域研究 博士課程単位修得退学
2019年3月 国士舘大学大学院 博士(政治学)
ムハッマー ジャクファル イドルスMOHAMMAD Jakfar Idrus
2016年3月 国士舘大学大学院 政治学研究科 政治学専攻 アジア地域研究 博士課程単位修得退学
2019年3月 国士舘大学大学院 博士(政治学)
インドネシアの大学を卒業した後は、就職を考えていたというジャクファルさん。しかし国士舘の教授と出会い、日本で政治学を学びたいという気持ちが芽生え、国士舘大学大学院に留学。博士課程を修了した後も、大学講師として教壇に立つことで研究を続けています。その向学心は、いったいどこから生まれているのか、詳しくお伺いしました。
政治学を入口に、
社会のことを体系的に学びたい
国士舘大学大学院を志した
きっかけを教えてください
出身国であるインドネシアのガジャマダ大学に在籍していた時、学内で国際交流セミナーが開催されたのですが、その時に国士舘の戸津正勝先生がいらっしゃいまして、そこでお話させていただいたことが入学のきっかけです。当時の私は、日本語学科を専攻。経済や文化などを体系的に学ぶためには言語の習得が特に重要だと考えていたのです。そこへ戸津先生が私に声をかけてくださって、「政治学を入口にしても、いろいろな社会の側面が体系的に学べますよ」と教えてくださり、興味が湧きましたね。大学卒業後は日系企業に就職したいという漠然としたイメージがあったのですが、この日をきっかけに、留学したい、日本の大学院で学びたいという意欲が芽生えました。
大学では学生会長を務めていて、学生運動にも参加していましたので、政治には自ずと興味を持っていましたし、祖国インドネシアに対することもまだまだ理解できていないので、「アジア地域研究」というアプローチで、もっと研究してみたい、政治を通してインドネシアのことを学びたいという気持ちになりました。そこで留学生制度を使って進学を目指すことになったのですが、その試験を受ける時も教授の方々や大学の事務の方々にもいろいろサポートしていただき、本当にお世話になりました。そういった教職員の人柄も、国士舘に進学する大きな決め手となりました。
祖国を研究して、
もっと学びたい気持ちが芽生えた
政治学研究科で取り組んだ、
研究内容について教えてください
国士舘大学大学院に進学し、インドネシアについて研究するようになったのですが、その過程で私が辿り着いたのは「政治と文化の関連性」です。インドネシアという多民族国家の中で、国民国家を形成することが最大の政治課題なのですが、そこには文化的側面が大きく関係しているわけです。私はインドネシアの中心的な民族、ジャワ族であり、ジャワ出身ですが、実際にジャワ島を見ても、内陸部と北部沿岸域では“ジャワと非ジャワ”くらいの違いがあり、様々な政治的な対立に反映しています。この内容を論文にしたことで、もっと深く追求したい気持ちになっていきました。
当初は博士課程に進むことは考えていませんでしたが、指導教授から勧められ、これは二度とないチャンスだと思い、迷わず進学を決意。それ以降は主に、博物館や博覧会から見える国民国家の形成の問題について西欧、日本とインドネシアを比較して研究していました。私は学生の頃から博物館が好きで、よく足を運んでいたのですが、そこから政治的役割を紐解いていけるとは知らず、とても興味深く学ぶことができました。他にも、現在は学長である佐藤圭一先生の「アメリカ政治史」、斎藤元一先生の「国際関係論」、鈴木裕之先生の「アフリカ地域研究」など、スタイルの異なるさまざまな授業も大きな刺激に。在籍したのは政治学研究科という専門分野ですが、先生方のおかげで視野はかなり広がりましたね。
日本とインドネシアとの
架け橋として活躍していきたい
国士舘大学大学院で学んだことで、
交流は広がりましたか。
研究室で机を囲んだメンバーは、日本、インドネシアだけでなく中国、韓国、ベトナム、スリランカなど出身国もさまざまで、考え方も多種多様。本当に多くのことを学びました。学内図書館の充実さに魅了された私は、情報収集のやり方などをアドバイスするラーニングサポーターも担当しまして、そこでも多くの学生とコミュニケーションをとることができました。国際交流財団からの奨学金を受けていたのですが、その対象者同士でも交流できたりと、色々な場面をとおして、本当にネットワークが広がりましたね。アルバイト先はとんかつ屋さんだったのですが、店主ご夫婦が家庭料理を食べさせてくれて。そのおいしさも忘れられないです(笑)
ジャクファルさんの、今後の
目標についてお聞かせください。
ご縁があって、現在は国士舘大学の21世紀アジア学部で講師をしています。実はインドネシアの大学からも講師の依頼をいただいていたのですが、実際に日本で過ごしてみて「もっと日本とインドネシアとの架け橋になりたい」という気持ちが強くなり、残ることにしました。学生をインドネシアの現地研修に引率することもあるのですが、そこから「インドネシアについて学びたい」「日本のことを改めて勉強したい」という学生が増えたら本望ですね。私自身も、まだまだ成長意欲にあふれています。将来の夢を聞かれれば「インドネシアで知事になること」と答えていますから。志高く頑張ることができているのも、国士舘と出会えたからだと思っています。
自分の視野を、大きく広げ、
夢への道を
切り開いてくれた場所。
ムハッマー ジャクファル イドルス
MOHAMMAD Jakfar Idrus